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最先端の睡眠理論がわかる 

この一冊 

昨年末から取り入れている「睡眠対策」の一つに、「スタンフォード式」があります。

今回は、その著書について紹介します。

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負債を膨らませずに、質を高めるためには?

徐々に脳と体を脅かす「睡眠負債」。

世の中には、快適な睡眠を得るための“通説”が数多く存在します。

「90分の倍数で寝ると朝すっきり起きられる」
「寝酒は睡眠の質を下げる」

本書にはこうした常識を覆す刺激的な言葉が並んでいます。

• 寝溜めはできない(その代わり、不足した睡眠を返済していくことは可能)
• 睡眠時間は90分の倍数でなくてもいい(大事なのは最初の90分だけ)
• 寝る前の飲酒はNGではない(少量であれば問題ない)

しかも、これらの説は「睡眠研究のメッカ」と称されるスタンフォードの最新研究結果に基づいたものです。

“信頼できる機関が導き出した最先端の理論”となれば、睡眠本には珍しく大ベストセラーとなったのもうなずけます。

ただし、今回に関して言えば、人々の関心の高さには別の理由もありそうです。

本書でも言及されているように、日本人は他国と比べて平均睡眠時間が短いそうです。(フランス8.7時間、アメリカ7.5時間に対して、日本は6.5時間!)

つまり、日本には「(様々な理由で)眠りたいのに眠れない」という人が多く、そうした切実な悩みが本書へと向かわせているのかもしれません。

特に、恒常的な寝不足を感じていて、週末の寝だめが必須な生活を送っている人は、「睡眠負債」となっている可能性が高いため、早めに睡眠の質を上げて「最高の睡眠」を取るのが望ましい、というのが本書の言い分でもあります。

ちなみに睡眠負債とは、「わずかな睡眠不足が、借金のようにじわじわ積み重なること」を指す言葉で、それによって病気のリスクが高まるとされています。

ここでは、実践的な研究結果を抜粋して紹介することにします。

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仕事中に睡眠を味方につける、とっておきの方法とは?

誰しも家事や仕事中に眠気と戦った経験はあるでしょう。

なんと!仕組みを理解して、対策を講じられれば、眠気はある程度コントロールできるのです。

以下がケースごとの対策です。

〈ケース1〉会議中に突然眠気が襲ってきたら?

→ 覚醒させるためには、口を動かすのが一番。ぜひ積極的に発言しましょう。
→ 体温を上げると覚醒する。冷たい飲み物ではなく、温かいものを飲みましょう。

〈ケース2〉午前0時。どうしても資料作りが終わらない!

→ 眠気をこらえて明け方4時~7時の3時間睡眠は、浅い眠りになるのでNG。
眠気が来たら「90分間」だけ寝てから仕事を再開しましょう。
その方が深い眠りを確保できます。

〈ケース3〉海外出張先や帰国後の時差ぼけをどうにかしたい!

→ 時差ぼけで眠れなかったり、変な時間に眠たくなったりするのは、体温が乱れているせいです。

時差ぼけを防ぐためにも、出発前から帰国先の時間に合わせて生活してみましょう(特に食事を現地時間に合わせるのがポイント)。

上記はほんの一例で、科学的に裏付けされた実践的な「睡眠との付き合い方」が多数紹介されています。

睡眠の質を向上させることで、家事や仕事のパフォーマンスを上げたい人、つまり“戦略的に睡眠に向き合いたい人”には、きっと価値のある一冊になることでしょう。

次回は、

* 短時間で質の高い睡眠をとるには?

* 睡眠は仕事の成果にどれほど影響を与えるか?

* カフェイン、時差ボケとの付き合い方

について、その理論を分かりやすく解説しますので

お楽しみに!?

〜 good night 〜

■書籍情報
書籍名:スタンフォード式 最高の睡眠
著者 :西野 精治(にしの せいじ)

米国スタンフォード大学 医学部精神科教授
スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長

1955 年大阪府出身。スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SCN ラボ)所長。医学博士。精神保健指定医、日本睡眠学会認定医。米国睡眠学会学会誌「Sleep」編集委員、日本睡眠学会学会誌「Biological Rhythm and Sleep」編集委員。徳島大学医学部、愛知医科大学、昭和大学客員教授を併任。2016 年より一般社団法人良質睡眠機構の代表理事に就任。日本人の睡眠衛生の向上をめざしている。

※ 本データは、この書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。

1955年大阪府出身。1987年、当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。1999年にイヌの家族性ナルコレプシーにおける原因遺伝子を発見し、2000年にはグループの中心としてヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止めた。2005年に睡眠生体リズム研究所の所長に就任。1987年に渡米以来、30年以上に渡り、睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究している。2019年5月より株式会社ブレインスリープ、代表取締役・最高技術責任者も務める。著書に『スタンフォード式最高の睡眠』(サンマーク出版)、『スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣』(PHP新書)がある。




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【スタンフォード式 睡眠術】

短時間で質の高い睡眠をとるには?

多忙な方々の中には、睡眠時間を削って仕事をしている人も少なくないのではないでしょいうか?

しかし、睡眠時間を削って家事や仕事をすることほど、非効率なことはありません。

良質な睡眠なくして、質の高い仕事はできないのです。

~ 短時間でできるだけ疲れをとる睡眠方法 ~

忙しい時はなかなか睡眠時間が確保できないこともあります。

短時間の睡眠で、できるだけ疲れを取るにはどうしたらいいでしょうか。

睡眠には質と量が両方大事です。一番大事なのは睡眠時間という「量」を確保することですが、どうしても難しいときは睡眠の「質」を上げるしかありません。

同じ時間寝るのであれば、少しでも質を上げた方がいいのです。

質を上げるには、入眠時の深い睡眠が大事です。

入眠時の深いノンレム睡眠中に成長ホルモンが出ます。この成長ホルモンが新陳代謝を促進し、体の修復を行い、美容やアンチエイジングにも役立ちます。

深い睡眠は、眠気や疲労からの解放、免疫力の増強、老廃物の代謝 にも深く関わります。

最初の深いノンレム睡眠を90分程度確保できれば、睡眠の重要なミッションをほとんどすべて確保できるのです。

この90分を「黄金の90分」と呼んでいます。

まずは、睡眠の生理機能を理解することが必要です。

たとえば、眠たくなったらすぐ寝るのも一つです。その時には、睡眠圧が上がっているので、深い睡眠が出ます。

眠たい時に眠らないと入眠のタイミングを逃し、寝つきが悪くなることもあります。

そして重要なのは体温です。体温が下がれば入眠しやすくなるし、深い睡眠が出ます。

~ シャワーでは不十分?よく眠れる風呂の入り方 ~

風呂に入ると体温が上がるので、逆じゃないかと言われることもあるのですが、違います。

たしかに、風呂に入ると一時的に体温が上がるのですが、その後に熱を放散して、風呂に入る前よりも下がります。体温が下がると寝つきが早くなり、深い睡眠がとれるのです。

ただ、入浴のタイミングは重要です。40度の風呂に15分入ると、身体の深部体温が0.5度くらい上がり、90分かけてもとの体温まで下がります。

ですから、入浴してから90分以内に寝ようとすると、体温が高くて寝つきにくくなります。

入浴後、すぐに眠る場合はシャワーで済ませたり、あまり長湯しないほうがいいでしょう。

シャワーでも皮膚の血管は拡張し、熱放散は起こるので、効果はあります。

ただ、じっくり入浴して体の内部の温度を上げる効果に比べれば、効果は小さくなります。

風呂に浸かれない場合、足湯でもいいと思います。短時間で足の血管を拡張でき、熱放散は起こしやすくできます。

生理的には手足から熱が逃げて体の温度が下がらないと、寝つきが悪いし、深い睡眠も出ません。

よく女性で冷え性の人などが寝るときに靴下を履きますが、あれはかえって良くありません。

寝る前に足の血流を増やす工夫をしてください。

~ 自分なりのポジティブルーティンを作れ ~

睡眠は脆いもので、外的な環境にも影響を受けます。

たとえば、部屋の室温は大事です。一概に言えませんが、自分が快適だと思う室温にするのがいいのです。

睡眠時は「夏は25度、冬は19度」という人がいますが、これは省エネの観点の話だと思います。

自分で快適だと思う室温に調整して、その室温にあったパジャマで過ごせばいいのです。

あとは不安や緊張を取り除き、自分がリラックスしているかどうかも大事です。

そのために眠る準備を整える「ポジティブルーティン」を作るのはいいと思います。

万人に効果があるかはわからなくても、生理的な裏付けがあり自分にとって効果のあるものを、自分の習慣にしていくのです。

睡眠は個人差がありますから、他人にとっての最適解は自分にとっての最適解ではないこともあります。自分の最適解を見つけていくべきでしょう。

ホットアイマスクは自律神経に作用するのだと思います。副交感神経を優位にして、リラックスさせる効果があるのでしょう。

自分にとって効果があるのであれば、ポジティブルーティンの一つになります。

「夜22時から2時のあいだがゴールデンタイムでこの間に寝るのが良い」という話もありましたが、あれは本当なのでしょうか?

それは全く根拠のない話です。ゴールデンタイムというのは、おそらく成長ホルモンが出るタイミングのことを言っていると思います。

成長ホルモンは新陳代謝を促す重要な物質で、子供だけでなく量は減りますが、大人になっても老人になっても出ます。

成長ホルモンは何時に寝たら出ると決まっているわけではなく、最初の深いノンレム睡眠時に出ます。何時に寝ても最初に深いノンレム睡眠が出現すれば出ます。

もし「20時に寝たいのにゴールデンタイムの22時までガマンしよう」などと考えていたとしたら、まったくのナンセンスです。入眠時に深い睡眠がでるように規則正しい生活をすることが大事です。

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【スタンフォード式 睡眠術】

睡眠は仕事の成果にどれほど影響を与えるか?

「早起きで生産性は上がるのか」「スポーツ選手がよく寝たらパフォーマンスは上がるか」など、睡眠と仕事の生産性の関係性について解説します。

~ 早起きの人=生産性が高い? ~

早起きの効用は、昔から言われていることです。

日本では「早起きは三文の徳」。

アメリカでは「The early bird catches the worm. 」、

中国語では「早起三朝當一工」で、世界中で同じことが言われています。

ただ、科学的証拠があるかというと、調査した結果によると、そうではありませんでした。

実は早起きも遅起きも、収入、学歴、健康状態において、明確な差はないのです。早起きだから成功するというわけではないかもしれません。

では、経営者がなぜ早起きなのかというと、おそらく人に邪魔されない時間を疲れがない時期に確保するためでしょう。

管理職であれば、日中は人からの用事が入りがちで、自分の仕事に集中しづらい環境にあります。

そこで、早朝から仕事をすることで誰にも邪魔されず、クリエイティブなことに時間を使えるというわけです。

それぞれの人によって、好み、スタイル、朝型・夜型の体質もあります。

朝型・夜型も、睡眠時間も、だいたい正規分布になります。

中央が50%いたら、

左右に20%ずつ、

極端な左右が5%ずつといった分布になります。

朝型・夜型でいえば、

50%がどちらでもなく、

ある程度の朝型と夜型が20%ずつ、

極端な朝型と夜型が5%ずつという分布です。

極端な朝型・夜型の場合は、遺伝で決まっているケースが多いです。もちろん環境や加齢によって影響を受けることもあります。

実験的には自分が朝型か夜型かは、体温を測ればわかります。

体温のリズムが平均に比べて、時間が前か後ろかで調べられるのですが、体温を持続して測定するのは容易ではありません。

現実的には自分の感覚で朝スッキリ起きられるとか、夕方になると疲れてくるとか、夜更かしが平気だという感覚等で判断することが多いのです。

~ 6時間睡眠を1週間続けると、2日徹夜と同じ状態に!? ~

睡眠時間を削って仕事をするビジネスパーソンは少なくありません。睡眠不足は仕事の生産性にどれくらい影響を与えるのでしょうか?

結論からいうと、大きな影響を与えます。

スタンフォードのデメント先生が米国でトラックドライバーの昼間の眠気の状況を調査してから、世界中でこういった研究が盛んになりました。

24時間睡眠をとらなかった場合、ドライバーの判断力は大幅に低下しました。

どれくらい低下したかというと、アルコールの血中濃度0.1%と同じ程度。これは、飲酒運転で捕まる程度(米国の飲酒運転のアルコール基準値が血中濃度0.08%)より悪かったのです。

米国ニュージャージー州などでは、24時間以上眠らずに事故を起こした場合、単なる交通事故ではなく、刑事事件扱いになります。

つまり米国では「睡眠不足での運転は危険だ」と法律で規制されているのです。

また、徹夜だけでなく、睡眠不足が数日続くだけでも大きな悪影響があります。

最近の研究では、6時間睡眠を1週間続けると、徹夜を2日も続けたのと同程度の判断力になると報告されています。

「睡眠は6時間で十分」と思っている人は多いかもしれませんが、本人の知らないうちに睡眠負債が蓄積され、判断力を低下させているのです。

仕事の生産性だけでなく、睡眠は健康にも大きく影響します。

睡眠不足や睡眠障害があると生活習慣病や癌、認知症のリスクが高まることがわかっています。

健康寿命にも影響があるわけですから、睡眠を削るというのは間違った選択だとはっきり言えます。

~ よく寝たらスポーツ選手の運動能力も上がった! ~

スタンフォード大学の男子バスケットボール部での有名な実験があります。

学生が毎日10時間、ベッドに入るようにしたところ、運動能力が大幅に上がったのです。フリースローの成功率もスプリントの数値も大幅に向上しました。

もともと学生は勉強しなければいけないし、遊びたい盛りでもあるので、睡眠不足になりがちです。

そして睡眠負債が積もった結果、本来のパフォーマンスが発揮できていなかったわけです。

十分に睡眠をとれば、パフォーマンス面だけでなく、ケガの予防・回復にもつながります。

プロのスポーツ選手の場合、試合前は緊張のために寝つきが悪くなりがちです。遠征が必要な選手の場合、ホテルに着くまでどんな部屋、ベッドなのかもわかりません。

一流のプロスポーツ選手は繊細な人も多いですから、睡眠の環境も気になりがちです。

ですから、ホテルに自分用のマットレスを持ち込む選手もいますし、最近はホテル側もいろんな種類の枕を用意しているケースもあります。

限られた時間で良質な睡眠をとるためには、環境整備も必要です。

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【スタンフォード式 睡眠術】

カフェイン、時差ボケとの付き合い方

エナジードリンクやコーヒーの成分は、カフェインがメインです。

カフェイン自体は植物由来で人間の体では作れないもので、覚醒作用があります。

癌の発症率を下げたり、脳神経細胞を保護するなど、メリットも多いのですが、大量に飲むと動悸や頭痛がしたり、カフェイン中毒になることもあります。

カフェインは1日400mgくらい、コーヒーだと1日4杯程度は摂取しても大丈夫ですが、分散して摂取する必要があります。

一つ注意すべきなのは、カフェインは半減期が長いことです。摂取から4〜5時間経たないと、カフェインの血中濃度が半分にまで下がりません。

夕方や寝る前に大量に摂取するのは、気をつけた方がいいでしょう。

ただ、これは原則論であり、美味しいディナーを食べたら食後のデザートと一緒にコーヒーも飲みたいでしょう?

それは個人の問題、度合いの問題でもあるので、飲んではダメということではありません。

~ よい昼寝環境の整え方 ~

現代人には昼寝はメリットの方が大きいと思います。

パフォーマンスも上がるし、疾患リスクも下がる。これが社会の共通認識になっていくべきです。

自分の裁量で働ける人は、14時に疲れたなと思ったら家に帰って昼寝してもいいのですが、普通はそれができません。

昼寝のために特別な仮眠室やベッドは用意しなくても良いと思います。部屋の照明を落とし、角度の調整できるゆったりした椅子を用意することをお勧めします。

近くの人を気にしなくて済む、プライバシーを保てる工夫があればなおよしです。飛行機のビジネスクラスのような、隣に見知らぬ人が寝ていても気にならないような環境です。

そして一番大事なのは、昼寝に対する周囲の理解です。

決して怠けているわけではなく、自分と会社のパフォーマンスのためだという理解が必要です。睡眠を削って働くハードワークな上司だと、なかなか昼寝に対する理解が得られません。

~ 時差ボケはなぜ起きる? そのメカニズムと対策 ~

時差ボケは、まずメカニズムを知ることが大事です。

生体リズムで一番強いのは体温。体温は昼間が高くて夜が低い、この繰り返しです。

これはパフォーマンスとも比例しています。体温が低い時は本来寝ている時で、パフォーマンスも上がりません。

時差ボケというのは、現地時間と体内時計がずれている状態です。

たとえば、日本からサンフランシスコに出張する場合を考えてみましょう。

サンフランシスコと東京は17時間の時差があります。朝、サンフランシスコに到着しても、体内時計はまだ夜です。体温が低く、身体は眠いという状況です。そしてサンフランシスコが夜になると、今度は体温が上がってしまって、眠れなくなります。

先ほどお話しした通り、サンフランシスコと東京は17時間の時差があります。動物は1日1時間しか体内時計を合わせられず、通常合わせやすい方にずれるので、マイナス7時間の時差でリズムが再び同調するまで、約7日間かかります。

また、リズムを前進させるマイナスの調整は後ろにずらすより辛いことがわかっています。

対策としては、できるだけ現地の時間で生活するのが原則ですが、現地の時間やリズムを一切気にしないというのも手です。

特に滞在期間が短い場合、現地に無理に合わせず、眠いときに眠って、大事なアポイントだけ集中すればいのです。

メラトニンは夜に分泌されるホルモンですが、眠るタイミングで分泌されないと、よく眠れなくなります。

時差ボケ状態だと、現地の夜にメラトニンが分泌されにくくなるので、それをサプリで補うのは理にかなっています。

メラトニンのサプリは、日本では売られていませんが、アメリカでは空港でも売っています。

ただ、副作用がないわけではないので、時差ボケで仕方ない時に飲む程度にしておいたほうがいいでしょう。

若い人であれば、生活習慣を整えてきちんと睡眠をとれば、充分なメラトニンは分泌されます。ふだんからサプリで補う必要はありません。

また、メラトニンの分泌は光によって抑制されますので、就寝前に強い光を避け、就寝中も電気を消すことも大事です。










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スタンフォード流 

賢くなる睡眠実践術

~ 超多忙な中での睡眠の「奥の手」 ~

十分な睡眠時間をとらないと、翌日の作業効率は落ちます。それが続けば、仕事や勉強にも影響して“馬鹿”になってしまうかもしれません!?

それでは、“賢く”なるためにはどんな睡眠をとればいいのでしょうか?

一流の人間が睡眠にこだわるその理由

夜、ベッドにもぐりこんだ瞬間に寝落ち、朝までぐっすり快眠。そんな「ドラえもん」の“のび太”級の深い眠りを享受できているビジネスパーソンは、日本にどれだけいるでしょう。

実際は、疲労困憊なのに寝付きが悪く、夜中に何度も目が覚め、朝が来ても体は泥のように疲れている、そんな日々を送る人は多いのではないでしょうか。

「24時間戦えますか?」そんなCMが流れたバブル絶頂期はいざ知らず、いまや適切な睡眠が勉学や仕事の効率を上げることは、次第に明らかになってきています。

上質な睡眠こそが、仕事と人生の質を左右するといっても過言ではありません。

ベストセラーになった『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)

睡眠生体リズムを研究する著者は、同書で睡眠医学の総本山スタンフォード大学をはじめとする最新の睡眠研究の知見を紹介しています。

既に一流のアスリートは、睡眠の重要性を理解し、ベストパフォーマンスを出しており、そのノウハウはビジネスにも応用できるのです。

「睡眠時間を削ってでも仕事に邁進すること」が、如何に人体にも仕事の効率にも悪影響を及ぼすかについて、著者は論理的に説いています。

一方で、睡眠の重要性は理解できても、職場環境やシフトの組まれ方、繁忙期などで理想的な睡眠を実践できない状況下の人もいるのが現実です。

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~ 世界一「睡眠偏差値」が低い日本 ~

ここに1つのデータがあります。ミシガン大学が2016年に行った調査結果です。

これによると、日本人の睡眠時間は100カ国中なんと最下位。日本人の4割が6時間未満の睡眠時間で生活していることがわかります。

しかも問題は、日本人自らこの睡眠時間に不満を感じ、東京の人はできるなら7時間21分は眠りたいと考えていることです。

つまり日本人は、毎日約1時間半近くも睡眠不足で、生活していることになるのです!

それだけ日本人が多忙な日々を送っているともいえますが、一方で睡眠に対してあまりに無頓着であることをも表しているのです。

自宅に戻っても、脳は休まることを知りません。深夜番組やネット配信動画、スマホやタブレットで夜中までブルーライトを浴びまくる・・・。

そんな状態で床に入っても、すぐに寝付けないのは当然かもしれません。

1960年代には6割の人が夜10時までに寝ていましたが、2000年頃からは、その割合は2割台までに下がっているとのデータもあるといいます。

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~ 「睡眠負債」が引き起こす「眠りの自己破産」 ~

では具体的に、睡眠不足は何を引き起こすのでしょうか?

睡眠研究者たちは、睡眠が足りていない状態を『睡眠負債』と表現しています。

『不足』ならいつか取り戻せますが、『負債』となると簡単ではありません。借金同様、返済が滞れば『眠りの自己破産』だって引き起こしかねません。

アメリカの学会誌『Sleep』では、夜勤明けの医師と、夜勤のない医師を対象に、日中の覚醒状況を比較する実験を行いました。

すると、驚くべきことに、夜勤明けの医師は、勤務中に1秒~10秒間、眠りに落ちる瞬間があったのです!

本人も周囲も気づかないほどの居眠り。これを「マイクロスリープ(瞬間的居眠り)」と呼ぶとのことです。

「勤務中の医師が寝るなんて!」と驚かれるかもしれません。

しかし、自らを振り返ってみて、退屈で意味のない会議中や、昼食後の静かなオフィスなどで、瞬間的に意識が飛んだ経験はないでしょうか?

「自分は十分寝ている」と思う人も、日中の集中力が続かない場合は、「睡眠負債」に陥っている可能性があります。

もし、大事な商談や車の運転中に「マイクロスリープ」が起こったとしたら・・・。大事な商機や生命そのものが奪われかねません!

また、長期的な影響はどうでしょうか?

ショウジョウバエの実験や、アメリカでの100万人を対象にした実験などで、短時間睡眠者は短命になりやすいという報告も上がっています。

さらに、肥満になりやすい、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、認知症への影響も無視できません。

睡眠時、私たちは約90分周期で「ノンレム睡眠(脳も体も眠っている)」と「レム睡眠(脳は起きて体が眠っている)」を繰り返しています。

最初に訪れる深い「ノンレム睡眠」では、グロースホルモン(成長ホルモン)が分泌され、細胞を増殖させ、代謝を促進しています。

特に日中、緊張感に包まれ働いているビジネスパーソンは、交感神経優位の状態で過ごしていますが、睡眠中に副交感神経が優位になることで、自律神経も整えられ、消化や排泄も促されます。

また、記憶分野で果たす睡眠の役割も大きいです。

睡眠時に嫌な記憶は消去され、必要な情報や勉強した記憶などが定着するからです。

つまり、上質な睡眠の結果、朝から活力にあふれ、明晰な思考力や判断力に優れ、情緒が安定した状態で働く力を得られているのです。

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以上、3回にわたり、睡眠に関する最新理論を紹介しました。

快適な睡眠を追求するためには、時には“我慢”も必要になります。

いったい、何の我慢が必要なのでしょう?

次回をお楽しみに!