最近耳にすることが多くなった「マインドフルネス」。どこかで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

最新の脳科学で「ストレス軽減」「集中力アップ」「自律神経回復」などの効果が実証され、アメリカではグーグルをはじめフェイスブックやインテル、マッキンゼーといった企業のほか、政府機関の研修でもマインドフルネスは取り入れられています。

また、小学校などの教育機関で積極的に取り入れた結果、子どもたちのいじめや差別が減ったという報告もあります。

日本でも、テレビや雑誌で特集が組まれるなど、マインドフルネスはいま世界的に大きな注目を集めています。

マインドフルネスの意味とは

簡単に言うと、マインドフルネスとは「”今ここ”にただ集中している心のあり方」のことです。

スポーツ選手が絶好調の時に「ゾーンに入った」という言い方をすることがありますが、その状態に近いと考えるとわかりやすいかもしれません。

雑念を持たず、リラックスしてただ今だけに集中して研ぎ澄まされている状態。無理していないのでストレスもありませんし、最も自分の力を発揮できる状態でもあるわけです。

マインドフルネスとは、そんな状態のことや、それを目指すプロセスのことを指します。

一般的に、普段の我々はそんなマインドフルな状態とは程遠い所にいます。

1日に処理すべき情報量は増え、なかなか心休まる時間を持てませんし、頭の中のおしゃべりは止まることなく「不安・否定・恐怖・評価・どうにもならない過去のこと・どうでも良いこと」をずっと喋り続けています。

一言で言うと「あれこれ考えすぎ」ている訳です。

そうしていると、混乱して事実が見えなくなったり、否定的な声が大きくなってストレスが溜まったり、結果的にパフォーマンスも下がってしまいます。

マインドフルネスとは、そんな精神状態を意識的に改善していこうとするものであり、リラックスしているのに感覚は鋭くなり、それまで振り回されていた漠然とした不安感がなくなり、精神的に安定した自分になることができるというものです。

そんなマインドフルネスでよく用いられるのが瞑想です。瞑想というのは古くから禅やヨガなどで行われていたものですが、マインドフルネス瞑想はそこから怪しげな精神性や宗教的な要素を取り除いたもので、誰でも気軽にできるところにも大きな特徴があります。

マインドフルネス瞑想を使って、マインドフルネス、つまり評価判断、恐怖や否定といった感情の向こう側にいこうとするわけです。雑念や無駄な思考のないところに自分自身の静かな中心を見出していこうとするのです。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズをはじめ多くのトップ経営者が瞑想を習慣にしていたことは有名ですが、それはこうした理由からです。

マインドフルネスの効果

一般的に、マインドフルネスの効果には次のようなものがあります。

  • 集中力が高まる
    マインドフルネス瞑想などで、雑念を捨てて今この瞬間に深く集中していくことを繰り返していくことで集中力が増していきます。
  • 浄化されストレスが解消される
    考えていることに飲み込まれることなく、それをただ観察していく時間を持つことで精神的にも肉体的にも緊張が緩和されていきます。
  • 洞察力、直観力、創造力が高まる 
    マインドフルネス瞑想により思考が整理されクリアになり、結果様々な能力が発揮されやすくなります。
  • よく眠れるようになる
    呼吸を整えることで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、体の緊張も緩和されていくためよく眠れるようになります。

マインドフルネス瞑想のやり方 

マインドフルネス瞑想と言ってもあまり難しく考えることはありません。

やることはとても簡単で誰でもすぐに実践できるのがその特徴ですから気軽にやりましょう。

基本的には、姿勢を正して、ただ自分のしている「呼吸」に意識を向けるだけです。 

姿勢を正す

立っていても座っていても構いません。

骨盤を起こして安定させ背筋を伸ばし、体を軽く揺すって体の中心を探ります。

肩の力を抜き顔の力も抜いていきます。目は軽く閉じるか、半眼でどこか一点を見つめるようにします。

呼吸に集中する

ゆったりと気持ちの良い呼吸をしていき、繰り返される呼吸にただ意識を集中します。

呼吸に意識を向けるのは、雑念から離れ、今ここの身体感覚とつながるためです。呼吸以外のものに意識が向いたら、また呼吸に意識を引き戻していく。ただそれを繰り返していきます。

ただ呼吸に意識を向けるといっても、やってみるとなかなか難しいと感じるかもしれません。

コツとしては、吸った空気が喉を通って体中に流れていくことをイメージしたり、呼吸に合わせて肺が縮んだり膨らんだりするイメージを持つことです。

何か思考が浮かんできたら「雑念」と心の中で唱えてそれを手放して、また呼吸に意識を戻していきます。

この手法を「ラベリング」と言います。必要なら使ってみましょう。

時間

マインドフルネス瞑想の時間は、まずは数分程度で行うが一般的です。

5分くらいでも良いのではないでしょうか。慣れてきたらもっと長時間やっても良いですし、時と場所を選ばずにもっと短時間で行うことも可能です。

ちなみに、最初はマインドフルネスの動画やCDなどをガイドとして利用するのがおすすめです。

  • マインドフルネス瞑想の目的は、脳や心のデトックスであったり、精神状態の調整といったものであって、神に近づいたり悟りを開くために行うものではありませんから、気軽にやりましょう。

その他のマインドフルネスに近づく方法 

瞑想以外にもマインドフルネスに近づく方法がありますので簡単の紹介しておきます。

ジャーナリング

5分〜10分程度、頭の中に浮かんだことをひたすら書き出していく方法。

「脳の排水」とも言われる。脳の中を掃除するような感じ。最初はなかなかしっくりこないかもしれませんが、何日か続けていくとその良さを実感できるようになるでしょう。

マインドフル・イーティング 

時間をかけてゆっくり集中して食事をする方法。

もちろん会話もしないし、テレビなども見ないで、食事のみに集中する。

その食材の形や食感をじっくり味わう。1食30分〜1時間くらいかけてただ集中して食べてみると良いでしょう。

一粒のレーズンを5分くらいかけてじっくり味わうレーズン・エクササイズも有名です。

ムーブメント・メディスン

音楽やリズムに乗って、自分の身体の声を聴きながら自由に動くダンス。「踊る瞑想」とも呼ばれています。

思考から解放され身体の声を聴くという体験は、きっと大きな浄化をもたらすでしょう。

まとめ

マインドフルネストは、様々な雑念やストレスで息苦しくなっている状態から解放され、シンプルに”今ここ”にただ集中している心のあり方、もしくはそれを目指すプロセスのことです。

その目的は、脳や心のデトックスです。

やり方は簡単ですから、その気になれば誰にだってできるようになります。

毎日ほんの少しだけでも、マインドフルネスの時間を持っただけで、生活の質が大きく改善したという人がたくさんいます。

興味がある方は、あまり難しく考えずに実践してみましょう。

マインドフルネスに関しては、どこかに学びに行っても、それほど学ぶことはなく、「では、実際にやってみましょう!」となりますから、このブログに書いたことだけ理解しておけば、ひとまずは十分だと思います。